腹水・胸水の治療や漢方などのメモ

患者さんのQOLを一気に下げてしまう腹水・胸水。 この腹水と胸水を改善させるための治療法をまとめたメモです。 自然排出が期待できる漢方と温熱を使った対策、アルブミン製剤点滴治療、CART(腹水濾過濃縮再静注法)、胸水穿刺、腹水穿刺、利尿剤(利尿薬)を使った治療方法などをまとめました。

腹水・胸水の対策は、入口と出口とを同時に対策しなければ、単なる一時しのぎの対策で終わってしまい体力だけが奪われていきます。

正直に言いますと、通常の対策だけでは、やがて限界がでてきます。

そのことをご存知の方は、民間療法や代替医療との併用を考えるのですが、医師に相談すると「やめてください!」と、一蹴されることがあります。
確かに怪しい健康食品や療法は沢山存在するのが現状なので、有用性が高い民間療法や代替医療に否定的な医療従事者がいてもおかしくありません。面倒くさいことになるのを嫌う医療従事者もいるでしょう。そこは否めません。

ですが、ひとこと言いたくなるのです!
じゃあ、ほかに対策方法があるのでしょうか?」 と

このことについて語ると長くなるので、このくらいしておきます。


ということで、ここでは “ 根拠に基づいた情報 ” をレポートしておきます。
あとは、ご自身で確認するなどして判断されてください。
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胸水や腹水が溜まる仕組みがわかると、対策する箇所がわかる

体力を温存し、負担をかけずに対策をするには、腹水や胸水が溜まる仕組み(原因疾患によって異なる)や代謝の仕組みをひも解いて、出来るだけ自然な状態で排出できるような対策を考えなければなりません。

そこで役に立つのが“漢方”です。

新薬(西洋薬)は単一の化合物が標的にピンポイント的に作用するのに対し、漢方薬は複数の生薬を配合した処方に由来する多成分系の薬物として、これらが生体側の複数の作用点に作用し、多面的な作用を示すことで、難解複雑な疾患にも対処できるものとされています。

ここでは、さらに漢方の有意性を引き出すことと、代謝機能向上を目指すため、漢方に加えて“温熱”を取り入れる方法を説明します。



漢方+温熱”による対策のポイントは、7つあります

1.血流向上をはかる
2.アルブミンを増加させる
3.炎症を抑える
4.水の流れ~排出を向上させる
5.腎臓の機能低下を予防
6.脱水症状が起る原因を改善する
7.原因疾患に合せた対策と免疫バランスの確保


①血流向上をはかる
肝硬変、肝臓癌、心不全などによる腹水・胸水の貯留は、血流の悪化が進んだ結果、水の停滞をおこした状態です。他にも抗癌剤治療により肝臓や腎臓などの臓器内血流の悪化が過度に進んでいるケースも想像できます。

そこで、「漢方」と「温熱」とを身体に取り入れることにより血流を改善し、血液の行先を確保することができれば腹水や胸水の貯留は防げます。
血流向上は、腹水・胸水対策で最も重要とされています。
ここで温熱を加えるのは、漢方の有意性をさらに引き出すことと、代謝機能向上を目指すためです。

例えで言いいますと、常温のハチミツと温めたハチミツを想像してみて下さい。
この2つをそれぞれ管に流し込むと、温めたハチミツの方が早く管を流れます。
血管を流れる血液も同じことがいえるのです。

ただし、ここで使う「温熱」はマイルド且つ、内臓レベル(深部)で温められる熱が必要となります。
電気毛布のような熱では、あまり意味を成しません。

②アルブミンを増加させる
これは溜まっている水が血管内に戻るための対策です。
ポイントは「血中アルブミンの自然増量」です。
アルブミンの役割は、血管外水分を血管内に引込むことです。
腹水貯留・胸水貯留が始まっている方は、アルブミン値が低く、水が溜まっていきます。
アルブミンは肝臓で生成(肝臓でのタンパク合成)されます。
言い換えると、肝臓でアルブミンが生成されるようになれば、水は溜まりにくくなります。
漢方による対策では、ここにコツが必要となります。

③炎症を抑える
血流向上で障壁となるのが「炎症」です。オシッコの出がよく、1日に何回も排尿するのに、まったく腹水(胸水)が減らないというのは、炎症対策が不十分と考えられます。
進行した炎症対策には限界がありますが、肝硬変も癌も部分的には炎症が存在しています。これを抑えることが「腹水排出・胸水排出」のための環境設定にもなるため、炎症対策も優先順位が高いといえます。

※血液検査でCRP値が異常に高い場合は、高めの熱を使う温熱療法などは控えた方がよい場合があります。
別途、一般のクリニックや治療院等で温熱療法を行っている場合は、念の為、CRPの値(炎症反応)が高い旨を伝えた方が良いかと思います。

④水の流れ~排出を向上させる
体全体の【水の流れ】⇒【水の排出】を向上させる対策です。漢方では五臓六腑の中の脾・肺・腎の三つが水の流れを操っているとされています。
胃腸から吸収された水分が、腎臓に運ばれ尿として排出されるまでの流れを整えます。
さらにここでも温熱が役に立ちます。
内臓レベルに達した温熱で新陳代謝を上げ「腎」にも働きかけ、その結果、余分な水分を尿や便として排出させることを促します。

⑤腎臓の機能低下を予防
癌や肝硬変などで胸水や腹水が溜まっている方でも、元々の腎機能は正常な方が大半です。しかし、長期にわたる利尿剤の服用や抗癌剤による治療などで、腎機能までもが悪化している状況が多々見受けられます。
腎臓は、血液をろ過し、不必要な水を排除する最後の出口になります。
炎症が鎮まって、血流が改善し、アルブミンが増量しても、腎臓の機能が低下している状態つづくと腹水や胸水は排出が困難となります。
このことから、正常な腎機能を持続させる必要があることがわかると思います。

⑥ 脱水症状が起る原因を改善する

胸水や腹水が溜まる方、脚の浮腫みがある方は、本来、溜まってはいけない場所に水が溜まっている状態です。この時、高い確率で水が必要な血管内、細胞、皮膚などで、水不足が生じやすくなります。
この状況に加え、利尿薬の長期使用によって血管内に必要な水分は極端に不足していきます。

脱水は血液のなめらかさを喪失させると同時に炎症の悪化を加速させます。
血流悪化と炎症悪化は、腹水や胸水が抜けにくい状態に陥りますので、脱水には注意が必要です。

脱水ナトリウム等が不足脱水症状がでる新陳代謝わるくなる腹水(胸水)がさらに抜けにくくなる

漢方では、脱水予防と養生対策とを組合わせる必要があります。

⑦原因疾患に合せた対策と免疫バランスの確保
胸水や腹水が溜まる原因となっている疾患は、20~30種ほどあります。細かくあげればもっとあるでしょう。
同じ腹水(胸水)でも原因疾患に合せた対応が必要な場合もあります。
例えば、癌によって腹水や胸水が溜まっている方の大半では免疫システムの異常が起っています。免疫機能(好中球、好酸球、リンパ球、単球、好塩基球)のバランスが崩れ、その結果、免疫低下と炎症とを同時に起こしている状態です。
この場合、癌細胞を攻撃する免疫力向上と腹水(胸水)排出のための炎症抑制には、複雑な免疫コントロールを理解し、正しい順序で対策をおこなう必要があります。


以上が“漢方+温熱”による対策のポイントです。


この対策法は“水を排出させる対策”だけをしているわけではありません。
血流向上や炎症コントロールもしていきますので、結果、「水が溜まらない対策」にもなるのです。

腹水(胸水)が溜まると、ついつい「腹水(胸水)を出す」ことを考えてしまがちですが、一時的には楽になっても根本対策にはなりません。

温熱療法と漢方による対策では、“腹水(胸水)を出す” と同時に “腹水(胸水)を溜めない”

ここに重点を置いています。
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対策が上手くいけば、大まかに次のような流れで腹水や胸水の自然排出がおこなわれます。
腹水(胸水)血管内に再吸収血流のチカラで腎臓に移動腎臓で血液をろ過水分を膀胱へ排尿[腹水(胸水)の排出]



胸水や腹水が溜まった時の漢方の効目

最後になりますが、時々、ご本人やご家族の方から「胸水や腹水が溜まった時の漢方って、効きますか?」という質問をされることがあります。

当然のことながら個人差はありますし、改善の兆しが出るスピードも個々で異なります。それは病院の治療でも同じことがいえます。漢方を見立てる人の技量も関わってくるでしょうし、患者さんの状況も様々ですから、ご回答を差し上げることは非常に難しいのが現状です。

ですが、私自身、理屈はわかっていても気にはなるので、腹水や胸水が得意といわれている漢方薬店にに問い合わせみました。目安としては、1ヶ月~1.5ヶ月で、半数ほどの方が何らかの変化を体感しているようです。

このことから「温熱」を加えている方は、さらに率が上がることが想像できます。

ちなみに、温熱を併用している方がいるのかを訊ねてみたところ、「併用しているという話を聞くこともある」との回答があった。

漢方に関しましては、特殊な分野になりますので、腹水や胸水の不快症状改善を得意とする専門の漢方薬局・薬店に相談されることをお奨めします。私が問い合せをした「相談堂」(漢方薬店)は、回答内容がプロフェッショナルで、且つ分かりやすい言葉で伝えてくれたのでお勧めです。ちゃんと血液検査のデータのことを熟知していた点は驚きでした。
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胸水や腹水が溜まった時の漢方と相性の良い「温熱」とは?

まず、漢方との併用で内臓レベルまで温めるには、電気カーペットや電気毛布などにありがちな、身体の表面だけを温めるものではない事が前提となります。電気毛布などは熱が深部に届きにくく熱の片寄りができやすいです。

急に発汗したり、サウナのように汗が大量に出るようなアイテムもNGです。

熱を体感できるかできないくらいの穏やかな温熱が好条件です。
身体の深部に熱がじんわりマイルドに伝わるものが良いと思います。

夏場でも「内蔵レベルでは冷えを生じる」ことがあるので季節に関係なく使ったほうが良いと思われます。
冬場の寒い日は電気毛布との併用は大丈夫だと思いますが、ただし汗をかきすぎて脱水したり、熱が強すぎて炎症反応が強くなることもあるので、電気毛布と併用する際は電気毛布は極力 “弱く” して使用されたほうが良いでしょう。特に炎症が強い方は電気毛布は使わないほうが良いです。

下記のリンクに、ガンの方の湯治で有名な玉川温泉(ラジウム系温泉)でも採掘される鉱石を加工した製品が一例として紹介されています。

紹介されている製品は比較的じんわりと熱が伝わることを目的としています。

様々なタイプがありますが、今後の療養スタイルの変化や、寝具の形状を考えて選ぶと良いでしょう。
天然鉱石を使用しているため、遠赤外線は半永久的に持続できるとのことです。


 漢方と温熱を使った対策で参考になった内容










アルブミン製剤の点滴は、対症療法的な治療?

血液は赤血球や白血球のほか、血しょうと呼ばれるタンパク質などを含む成分からできています。
アルブミンは血しょうに最も多く含まれるタンパク質で、主に血管内の水分を保ち、血液の流れを調節する役割をしています。

血液中のアルブミンが少なくなると血管内の水分を保つことができなくなり、血管から水分が出てしまいます。
そのため血圧が低下したり、むくみ(浮腫)が起こったり、おなかに水が溜まったり(腹水)肺の外側に水が溜まったり(胸水)します。アルブミンが著しく少なくなった場合には、肺の内側に水が溜まる(肺水腫)こともあります。

このことから少なくなったアルブミンを直接血液中に注入して、上記の症状を改善させる方法がとられる場合があります。これが、アルブミン製剤を使った治療法です。
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「アルブミン製剤」は、人の血液の血しょうに含まれるアルブミンを原料としてつくられるヒト由来の薬で、通常の点滴で治療を行います。
様々な原因で血液中のアルブミン低下によって起こる症状を改善するために使用されます。(※病院によって取扱っているアルブミン製剤の種類は異なる)

しかし、アルブミン製剤は非常に高価であり、かつ保険適応になっている病院でも一月に6バイアル程度と、使用を制限されています。
アルブミンの値が低いから点滴で流し込んで数値を上げるため方法ではあるのですが、実際にも対症療法的な処置なので、アルブミンの数値が低下する原因に効果が有るわけではないのです。



ヒト由来のアルブミン製剤でも副作用はあります

発症率は低いものの、アルブミン製剤にも、アルブミンそのものが原因で起こる、ショック、アナフィラキシー様症状、発熱、顔面紅潮、蕁麻疹〔じんましん〕、悪寒、腰痛、頭痛、血圧低下、嘔気などの副作用があります。
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アルブミン製剤の副作用以外のデメリット

アルブミン製剤については、高額(アルブミン50mlで約7000円)という以外に、人の血液から作られる限られた資源の為、使用制限があるのです。
救命にどうしても大量に必要になる場合もあり、社会の共有財産として漫然と投与することが禁止されています。

仮に、自費にする場合は、入院費用から全額保険外で支払う必要があります。当然高額医療制度も適応になりません。例えば、癌での入院ですと、月額100万程度かかるのも珍しくありません。アルブミンだけ自費という支払い方は、健康保険ではできない決まりになっています。

なお、末期癌の方にアルブミンを毎日使用するというのは、心臓などにも大きな負担となるため、最もやってはいけない使用方法とされています。

また、ドロドロの腹水や胸水が溜まる場合は、アルブミン製剤では改善しないことがはっきりしています。

   アルブミンの働き  (日本血液製剤協会)













CART(カート)とは、Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy:の略で、腹水濾過濃縮再静注法ともいいます。1981年に保険認可されたものの一般的に普及していないのが現状のようです。
一部では独自に改良されたCARTによって効果を現している医療機関もあるようですが、メリットの反面デメリットもあり、患者さんの状態と治療のリスクを天秤にかけなければならないケースもあるようです。
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CART治療のメリット

CARTは、腹水穿刺(胸水穿刺)によって貯まった腹水(又は胸水)を採取し、アルブミンなどの有用なタンパク成分を濃縮ろ過して再び体内に戻す治療法で、以下の3つのメリットがいわれています。

・腹水(胸水)中のタンパク成分を再利用
・血しょう製剤補充の必要がない
・細菌、癌細胞の除去が可能


すべての方ではないものの、この治療により、自覚的苦痛の軽減、循環血しょう量の増加、腹圧の軽減、血しょう浸透圧の上昇などが期待でき、利尿剤効果の再発現、貯留間隔の延長などの効果も報告されているようです。
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CART治療のデメリット

投薬治療などでもそうですが、メリットの裏側には、デメリットもあります。

腹水貯留に対するCART治療のデメリットとして、次のことがいわれています。

CART(腹水濾過濃縮再静注法)は、『細胞成分が少ない肝性腹水』では問題は少ないのですが、癌細胞や白血球、フィブリン等の『細胞成分が多い癌性腹水』では、ファイバーの内腔が狭いので詰まってしまいます。そのため2L前後で膜閉塞をおこし、腹水処理が以後不能となります。
特に卵巣癌では粘液成分が多く、早い段階で膜閉塞を生じるために適応外とされていました。
また、腹水をローラーポンプで圧挫することによる癌細胞などの破砕に加えて、ろ過処理を続けようとして無理にろ過圧を上げると、高い発熱やショック症状を引起こす原因にもなるようです。



画期的な改良型CART治療
上記のデメリットに対して、改良を加えたCART治療(KM-CART)も一方で普及しつつあります。
普及率は低いものの、外圧ろ過方式への変更にし、ローラーポンプの代わりに吸引装置を使用することで、腹水や胸水にかかる物理的ストレスを軽減、その結果、従来のCARTが起因した高熱もほぼ認められないとのことです。
また、従来のCARTで処理ができないとされていた血性腹水や卵巣癌の粘液腹水に対しても、ろ過膜の洗浄を繰り返すことによって全量の処理が可能となっているようです。

  KM-CART施工可能施設

(2015年10月現在 ⇒ 札幌、東京、栃木、群馬、京都、兵庫、高知、山口、福岡で施工可能)













腹水穿刺や胸水穿刺は、抜けば抜くほど溜まりやすくなる

腹腔内(胸腔内)へ管を入れ、直接腹水(胸水)を抜く方法で、即効性があり効果も大きいのですが、腹水や胸水が溜まる根本の原因が取り除かれないため、再び腹水や胸水が溜まるとされています。

腹水や胸水の中にはアルブミンなどの血漿蛋白が多く含まれるため、頻繁に抜くことは血漿蛋白の喪失を助長し、かえって腹水や胸水の貯留を誘発させる可能性が高いのです。
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腹水穿刺(胸水穿刺)で怖いのが、血圧低下によるショック状態

長い間腹水(胸水)が溜まって腹腔(胸腔)の内圧が高くなっていると、下半身の血液は腹腔内(胸腔内)の大静脈を通って心臓に戻る量は少なく、腹壁(胸壁)などの側副血行路 [血流を補うために自然に発達してくる別の血流路] を通って戻る分が増えます。

また、長期間たまる腹水(胸水)の中にはタンパク質が多く、腹腔内(胸腔内)大静脈内外のタンパク質含有量が平衡状態になっています。

体がこの状態に慣れている状態に、大量の腹水(胸水)を排出をすると、まず腹腔内(胸腔内)の圧力が低下し、腹腔内(胸腔内)大静脈に流れ込みます。さらにそこに留まる静脈血量が多くなることによって、心臓に戻る分が減少し、結果、左心室からの拍出量は減少します。

次に、腹水(胸水)の中に含まれていた蛋白が抜かれるため、腹腔内(胸腔内)大動脈や静脈内の蛋白質が血管外に移動し、それに伴って血漿成分も血管外に移動するため、血液量が減少します。

これが腹水穿刺(胸水穿刺)によって引き起こされる血圧低下(ショック状態)といわれています。
腹水穿刺(胸水穿刺)は、患者さんの状態を診て慎重に行われなければならない治療法です。

胸水の場合に限っては、合併症としてARDS(重い肺障害)を起こす可能性もあります。
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筋肉や脂肪を貫通し腹腔(胸腔)まで通す腹水穿刺(胸水穿刺)による治療

根本的にお腹に注射針より太い針を刺すということは、痛みもありますし血管を傷つけてしまうこともあり得ます。
治療前に麻酔を打つので痛みは感じないにしてもリスクはあります。

皮膚から管を刺し入れ、筋肉や脂肪を貫通し腹腔まで通すので出血もあるでしょう。
大切な血管や内臓に傷をつけてしまい、大事故につながる可能性も否定はできません。
感染症の危険性もあります。

2009年に腹水穿刺による医療ミスも起きており、真相は不明な点もありますが、腹水穿刺を行った後で患者さんが亡くなったのは事実です。慎重さが求められる治療ですね。

  腹水穿刺の方法(看護技術wiki)












腹水や胸水の利尿剤による治療は、尿量を多くし、血中の水分を尿に出すことで血液中のアルブミンなどを濃くして、腹水や胸水の水分がより多く血管中に戻ってくるように働きかける治療です。
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腹水・胸水の種類によって利尿剤を変える

癌性腹水や胸水の場合、利尿剤が有効な場合がありますが、穿刺よりも腎不全・電解質異常の合併率が高いので推奨はされていません。しかし、有効なケースもあるので、腹水や胸水の貯留状況に応じて利尿剤を投与し、反応をみるのは初期段階の治療としては有用的とされているようです。

いっぽう、漏出性腹水や漏出性胸水の場合は、スピロノラクトンとフロセミドの併用が奨められています。[フロセミド(ループ利尿薬)だけの単独投与は塩分喪失があるため併用を推奨] スピロノラクトンは3~7日後に効果が出てくるため、特に投与初期は週1~2回電解質と腎機能とをチェックし、腎機能が悪化したら利尿剤の適応は難しいと考えられています。
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新しい利尿薬「サムスカ®錠7.5mg」

肝硬変における浮腫や腹水の治療において、利尿薬が効きにくい場合には、薬を増量したり、別の利尿薬を加えたりして治療が行われますが、それにより血中の電解質のバランスが崩れたり、腎臓の機能が低下するという懸念がありました。
また、利尿薬そのものの効果が減弱する場合もありました。
そのため、肝硬変による浮腫や腹水の治療において、これまでの利尿薬とは作用機序の異なる新しい利尿薬が望まれていましたが、「サムスカ®錠7.5mg」が承認されたことによって、従来の利尿薬治療で効果が不十分な肝硬変による腹水貯留の患者さんの治療に選択肢が1つ増えました。

  大塚製薬ニュースリリース



利尿剤のメリットとデメリット

利尿剤は、腹水や胸水の量をコントロールできるメリットもありますが、最初は効果があっても、使い続けていると効果が少なくなっていくデメリットもあります。
不自然な利尿薬を使って、強制的に不自然な排尿を促すわけですから、当然ながら腎臓への負担は大きくなります。
必要なカリウムやナトリウムが流出しすぎるという傾向にも陥ります。その結果、腎不全を併発する危険性も出てきます。



自然のものを普段の療養生活に活用

・利尿作用がある食べ物
(竹の子、すいか、梨、ゴボウ、大根など)

・利尿作用があるハーブティー
(ネトル、ダンディーライオンリーフ、バーチバークなど)

・利尿作用がある漢方薬や漢方系サプリメント
  ※漢方は人それぞれの体質によって異なるので必ず専門家に相談
余談ですが、わたしの知人(肝硬変⇒腹水貯留)は、漢方のおかげもあって
腹水のコントロールとQOLの確保とが上手くできたようです。
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